今回、連棟式の土地建物(テラスハウス)の売却相談がありました。最近では、テラスハウスの売却相談件数は少なくなっており、売主様・買主様共に分からない点が多々あります。
そこで、今回は、テラスハウスの特徴や費用、購入・建築・売却時の注意などをご紹介します。
「テラスハウス」という言葉は、テレビ番組の影響で広く知れ渡り、一つの家に複数人が一緒に生活する”シェアハウス”と同様の捉え方をしている人が多くいます。
しかし、テラスハウスの本当の意味を知らずに、売却したり購入したりすると、後に思わぬトラブルになることもあります。
テラスハウスとは、「連棟敷建物」とも言われ、2階建ての家を共有壁でつなげて作った長屋のことをいいます。一つの土地に2階建ての家が複数連なっており、各住宅に専用の駐車場やテラスがあることから「テラスハウス」と呼ばれています。それぞれが独立したエントランスがあるため、共有スペースがありません。
テラスハウスとよく似た住宅として、「タウンハウス」があります。タウンハウスは、テラスハウスと同様に2階建ての長屋ですが、駐車場やテラスは共有となります。
共有スペースがあるかないかで呼び名が変わり、一つの土地に独立して建物が建築されているため、「区分所有建物」となります。
テラスハウスの大きな特徴は、2階建てであるということです。共有スペースが無く2階建てなので一戸建てに住んでいるような感覚にもなります。
では、戸建とテラスハウスの費用を比較すると、戸建ては住宅とは別に土地代もかかり、その後の管理費も全て居住者負担となります。一般的にテラスハウスは、他の居住者と土地を共有している分、土地代が安かったり費用がかからないことが多いです。管理費も一部管理会社が負担してくれるため、戸建てよりも管理費は安くなります。
戸建てよりも家賃が安く、専用スペースがあることから購入や建築する人もいると思います。しかし、テラスハウスを購入・建築する時には戸建てやマンションを購入する時よりも注意が必要です。ここでは、その注意点をご紹介します。
現在建てられているテラスハウスは、2000年以前に建てられたものが多く、老朽化が進んでいます。建物の造りは戸建てに似ていますが、共有壁でつながっているため分譲マンションに近く、リフォームや立替えなどが自由にできません。購入を考えている物件を実際に内覧し、老朽化が進んでいるようであれば、購入はあまりおすすめできません。
テラスハウスは、「区分所有建物」のため隣人との壁は、共有物となります。なので、無許可で再建築する事はできません。もし、許可が取れた場合でも隣接の住宅の壁や屋根が一部無くなるということになるため、耐震性などさまざまな問題が発生します。そして、実際に一部解体してしまうと違法建築という扱いになる場合もあり、許可が下りないことが大半です。
テラスハウスの売却が難しい理由は、買い手が住宅ローンの審査に通りづらいからです。住宅ローンは、買い手の収入額を審査するほか、その住宅の担保価値も踏まえて審査します。建物の解体やリフォームがしにくいため、担保価値が低いと判断され、審査が通りづらくなります。幸いなことに住宅ローンの審査が通ったとしても、売却価格は戸建てやマンションよりも比較的安価となります。
どうしても売却したいのであれば、隣人に買取の打診をしたり専門の不動産業者に売却してもらったりするのが良いでしょう。
テラスハウスは、戸建てに住んでいるような感覚になり、家賃等も戸建てより安いというメリットがありますが、自由に解体やリフォームができないというデメリットもあります。そして、区分所有建物として扱われるため再建築には隣人からの許可が必要となり、一部を解体すると違法建築として扱われてしまいます。
テレビの影響もあり、テラスハウスに憧れを持つ人もいると思いますが、購入・建築・売却する時は、今回ご紹介した注意点を踏まえながら検討すると良いでしょう。