高校卒業後
ホテルマンに憧れ、
大阪の大手ホテルに入社します。
憧れのフレンチレストランに配属されるも
最初はお客様の前に出ることができない
バスボーイ(ウエイターの助手)としての
スタートでした。
蝶ネクタイを着用することはできず、
制服は茶色の詰襟です。
当時は上下関係が厳しく
先輩の指示には絶対従う時代
だったので
いつも先輩が何を望んでいるか
気にしながら行動していました。
それでも
「やるからには大成したい」
という思いで、夜遅くまで
ひたすら銀食器を磨くなど
下積みの仕事を
がむしゃらに頑張ったのです。
3年たってようやく
「アシスタントウエイター」の辞令がおり、
憧れの蝶ネクタイを手にできました。
ようやく接客ができるので
喜びもひとしおです。
レストランでの接客は
チームワークが必要です。
担当エリアが決まっており、
リーダーの指示に従い
それぞれの役割の
サービスをお客様に提供します。
うまく連携が取れて
良いサービスができた時は
達成感があります。
独りよがりの仕事では
お客様に満足して頂ける
サービスができないことを
学びました。
ある年の
クリスマス前の繁忙期に
ミスがないように配慮していたのに
行き届かなかったことがあり
お客様からお叱りを
受けてしまうことがありました。
お怒りのお客様に一生懸命謝罪を
しましたが、
「もういい」と言って
出ていかれてしまったのです。
このことは当時の自分にとって
ショックな出来事でした。
後に冷静になって振り返ってみると
あの時は、
謝れば誠意が伝わると
思っていましたが、
「なぜそうなったか」
を考える余裕がなかった
ことに気がついたのです。
お客様がお怒りになった
原因の本質を捉えていたら
もっと違う謝り方があった
のかもしれません。
この出来事があってからは
さらに、でしゃばらず、
自分の考えを押し付けることなく
お客様のニーズを探り
隠れた要望に気づく能力を
磨きました。
このように現場での経験を積むことで
ウエイターという一つのコマではなく
レストランの統括を任されるようになった時に
全体を見渡して早い段階でトラブルの元を
キャッチしてケアできるようになったのです。
ウエイターとしての地位が上がってくると
新人の育成も行います。
チームで質の高い
サービスを提供するためには
協調性やほどほどの緊張感も必要
なのである程度厳しく指導して
いました。

